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おすすめ本

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地人書館刊「天文学大事典」(2007)

定価24,000円

 1970年代から2000年頃にかけて天文普及やプラネタリウム界で目覚しい活躍をした山田卓さん(1934-2004)が名古屋市科学館を退職後、情熱を注いだのが本書の刊行だった。しかし、完成を見ず、鬼籍の人となってしまった。
 筆者は天文学史関係項目の執筆依頼を受けた。多分、1999年の春ではなかったかと思う。大阪・中之島のグランドホテルの地下で昼食をとりながら構想をうかがったが、壮大なそのプランに、とても予定通り刊行するのは難しいだろうと思った。果たせるかな、3年のところが10年かかってしまったらしい。それだけ多くの方々が最新成果を盛り込もうと腐心した作品である。
  やや高価ではあるが、これだけ大部のものである。了として戴きたい。そして、座右に置いて、折に触れて手にとっていただければ、そのたびに人類が2000年に亘って営々と築いてきた知の殿堂に新鮮な感動を覚えることと思う。

 筆者は横尾武夫・横尾広光のご兄弟、そして株本訓久氏と4名で人名を担当した。世はインターネット時代に入り、海外との情報距離は一気に縮まった。あちこちにメールを送ってはいろいろ教えて戴いての執筆となった。字数の割には多くの時間を注いだ点でも思い出の一冊である。