実行委員長あいさつ 加藤 賢一
1994年に第1回目を開催した本研究会はちょうど10年という節目の年を迎え、このたび第9回目を開催するはこびとなりました。開催にあたり煩雑な事務をお願いした美星天文台の川端さん、綾仁さんに感謝致しますとともに、経済的支援を戴いた美星町当局にもあつく御礼を申し上げます。
今回の研究会に際しても多くの公共天文台・社会教育施設に共催団体となって戴きましたが、ここに本研究会のこの10年間の動きと特徴が凝縮されているように思います。もともと関西地区で天体のスペクトル研究や教育に関心を持っていた何人かの有志が共同研究と天体スペクトル研究法の普及を兼ねて呼びかけたのが本会の始まりでした。それは丁度公共天文台が各地に開館した頃で、本格的な分光装置を備えるところも出てきました。私たちはそうした施設の有効活用と共同化も推進したいと考え、本研究会への支援をお願いしたところ快く受け入れていただき、おかげでここまで会を重ねることができました。関係機関にはこの場をお借りしまして長年のご支援に感謝申し上げる次第です。
さて、研究会は主催者だけでできるものではありません。参加者あっての研究会です。ここにお集まり戴きました皆様方には交通費・宿泊費のみならず参加費のご負担も戴いております。本研究会は各機関からの支援を大いに歓迎するものではありますが、飽くまで自主的に勉強したい者が主体的に開催するスタンスをとりたい、それが社会教育の原点であろうとの立場から参加者にご負担をお願いしてきました。そうした事情をご理解をいただき、ご参加いただいたことに主催者代表として心から御礼申し上げます。
このたびは国立天文台の竹田洋一先生に招待講演をお願いしました。竹田先生は恒星分光学で目覚しい活躍をされておられるところで、今日は太陽系外惑星探査というホットな話題を題材の一つとして高分散分光学の真髄ならびに関連した諸問題についてご紹介いただけるものと期待しております。短い2日間でありますが、大いに議論され、十分に情報を仕入れてお帰り戴き、これからの研究・勉学の糧として戴ければこれに勝る喜びはありません。ありがとうございました。