UVESデータからの恒星大気パラメータ決定について
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図1 Hβ―C0(T.T.Moon et al 1985) | 図2 HD97534のHα |
★Line Depth Ratioから
V.V.Kovtyukh et.al 2000から選んだ30組の吸収線を測定し、有効温度を算定した。図3に測定した吸収線の例を示す。
しかし、A型星については吸収線が非常に弱く測定できなかった。これらの星については、Mgなどの電離平衡から求める方法が有効であろう。
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図3 VI 6090.21とSiI 6091.92の例 |
表1 有効温度・表面重力加速度の測定結果(※については有効温度を変化させた)
Star | Line Depth | Hβ―C0 | Logg(Hβ―C0) | Logg(CaII8498) |
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A型星 | ||||
HD74272 | 7500K | 2.2 | ||
HD97534 | 5900K(grid外) :輝線影響 | |||
HD73634 | 7400K | 2.0 | ||
HD81471 | 6500K(grid外):輝線影響 | |||
HD80404 | 450K | 2.0 | ||
F型星 | ||||
HD75276 | 7100K(grid外) | |||
HD74180 | 6200K(grid外) | |||
HD108968 | 6700K | 3.1 | 1.5※ | |
HD54605 | 6316K | 6400K | 2.5 | 1.1 |
HD101947 | 6243K | 6400K | 4.0 | 1.4 |
γCyg | 6127K | 6300K | 2.6 | |
G型星 | ||||
HD174383 | 5861K | データなし | 1.4 | |
HD154365 | 5647K | データなし | 1.5 | |
HD97082 | 5659K | データなし | 1.25 | |
HD204075 | 5237K | grid外(C0に問題) | 2.0 | |
HD125809 | 4737K | 6100K(grid外) | 1.0 |
5.表面重力加速度の決定
一回電離したCaによる、この吸収線は圧力によってその線輪郭を変化させる。恒星の大気では、圧力は表面重力加速度によるので、この吸収線輪郭から表面重力加速度を推定できる。重力加速度が大きい場合には、線輪郭のウィングは狭く、重力加速度が小さい場合にはウィングは広くなる。図4にHD97082(G1Ia),HD80404(A8Ib)で実際に測定した例を示す。(HD80404については文献1992ApJS…256
Luck et alの値Teff:7500K、logg:1.4から)しかし、A型星については今回フィッティングが合わず結果は記さなかった。原因はコンティニュームの決定に関する問題が考えられる。
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図4 CaII 6498の線輪郭 | 図5 A型星HD80404のCaII6498線輪郭 |
6.今後の課題
今後は、今回決定できなかったA型星、F型早期の恒星について温度決定を行い、図5に示すような吸収線を用いてC,N,O等の組成決定を試みたい。
また、大気の深さによるミクロ乱流速度の違いが見えている可能性もあるので、それについても追求していきたい。
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